時計仕掛けの朱い夏 2008/08/04 (Mon)

またまた柄にも合わず、詩なんか書いちゃいます。


家の周りの風景です。

今日は塾の前に一人旅をしてきましたよ。


ちょっくら、海を見に。

並木道が

木漏れ日を描く

落ち葉の暗喩


真上を向くと

太陽の日に

一瞬目を焼かれて



金魚鉢の

朱い金魚

木漏れ日にワルツを踊る




塾のテキストと

何気なく掴んだ方位磁針

ケータイは要らない

爽やかな推理小説と

綺麗な音楽が入ったウォークマン

ちょっとしたノートと

HBの鉛筆があればそれでいい



あとは

紡ぐ景色を捜しに

今日

旅に出よう


ちょっと高い切符を買った

いつもは使うことの無い

少し色の薄い切符

折りあとがつかないように慎重にポケットにしまう



こんなときは

オーバーオールに

ハンチング

なんて格好がいい

ちょっとした旅人になれるから


海岸線に乗る

まばらな人


窓から差し込む光が

足をあたためる

少し足をずらした瞬間

トンネルに入る

また足をもどす

トンネルを抜ける

光が足を照らす


でももう足はずらさない




海が見えたから

きらきらと輝く

水平線が見えたから


あわててノートを取り出して

鉛筆で境界線を描こうとした


でも

たった一本の線しか描けない

でも

それでいい



屋根のない駅で電車を降りた



頭上から続く空が

目の前で海と交差する


一本だけ

線の描かれた１ページを

そっとちぎる


そして目の前の

青い交差線に重ねてみる





絵は　完成した




大事に折り曲げてポケットにしまう

色の薄い切符と一緒に




また来よう


この交差線へ




今度は


誰かを連れて